コロナ禍で外出が減った今年、猫と過ごす時間が増えた人も多かったのでは。そこで本誌は猫の飼い主にアンケートを実施し、200を超える回答から読者と猫との関わりを調査した。結果からは、孤独を癒やし家族の絆をつなげる猫たちの大活躍が見えてきた。
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本誌が猫を飼っている人を対象に11月11日から12月1日にかけて実施したウェブアンケートには、211件の回答が寄せられた。
最初の質問は「飼い猫との出会い」について。最も多かった回答は「拾った(保護した)」(76票)で、次いで「知人からの譲渡」(49票)や、「里親・保護施設」(41票)などが多く、ペットショップでの購入は少数派だった。拾ったケースについては、
<庭で野良猫が産んだ子を育てたのが始まり>
<開いた窓から勝手に入ってきた。追い出しても懲りずに入ってきて、いつの間にか飼うようになった>
など、猫の側から「保護」を求めてきたかのような出会いが複数あったのも印象的だ。元東京農業大学教授の大石孝雄さん(伴侶動物学・動物遺伝学)がこう解説する。
「猫は犬と違ってつながれていないので、野良猫や捨て猫を拾う人が多い結果になったのでしょうね。猫はすみかを選ぶ時、雨風をしのげる、樹木の陰など身を隠す場所がある、冬場に暖をとれるといった条件を求める習性がある。人間の家はそうした条件を満たしていますから、猫が近づいてきやすいのです」
続いて、「飼い猫が冬になるとよくする行動」という質問に対して、最も多かった答えは「窓辺で日向ぼっこ」(48票)。次いで「人で暖をとる」(39票)、「ストーブの前に陣取る」(34票)といった回答が続く。中には、次のようなユニークな報告もあった。
<日差しの動きに沿ってベッドの上を移動して寝ている>
<膝の上でニャンモナイトになります>
暖を求めてのんびり過ごす猫の姿は、多くの家に共通する光景のようだ。
「室内飼いの場合、日差しの当たる窓辺や毛布の上などの暖かい場所を好みます。『丸くなる』という回答が多いですが、寒いせいもありますが、猫は体が柔軟なので自然と丸まった状態になりやすいですね」(大石さん)