羽生結弦(はにゅう・ゆづる)1994年、宮城県生まれ。10代とは思えない情感たっぷりの表現力と、安定した4回転ジャンプで、あっという間に金メダル候補に。注目されても変わらないマイペースな発言も魅力(撮影/写真部・馬場岳人)
羽生結弦(はにゅう・ゆづる)
1994年、宮城県生まれ。10代とは思えない情感たっぷりの表現力と、安定した4回転ジャンプで、あっという間に金メダル候補に。注目されても変わらないマイペースな発言も魅力(撮影/写真部・馬場岳人)
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高橋大輔(たかはし・だいすけ)1986年、岡山県生まれ。ロシア風でもない、北米風でもない、独自の世界を氷上に描き、その芸術性は他の追随を許さない。4回転―3回転ジャンプさえ決まれば、怖いものなし(撮影/写真部・馬場岳人)
高橋大輔(たかはし・だいすけ)
1986年、岡山県生まれ。ロシア風でもない、北米風でもない、独自の世界を氷上に描き、その芸術性は他の追随を許さない。4回転―3回転ジャンプさえ決まれば、怖いものなし(撮影/写真部・馬場岳人)

 3月10日から16日までソチ五輪前、最後の世界選手権(カナダ)が開催されている。ソチ五輪で金メダルを狙う男子フィギュアスケートの高橋大輔、羽生結弦両選手には、この大会の成績も大切になってくる。

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 つい最近まで、男子フィギュアは、「ソチの金はパトリック・チャンで決まり」という空気に満ちていた。それもそうだろう。余裕のある4回転ジャンプを武器に、昨シーズンは出場したグランプリシリーズすべてと、グランプリファイナル、世界選手権で優勝。世界選手権では、転倒したにもかかわらず2位の高橋大輔に勝った。

 それで油断したのか、今シーズンのチャンは、明らかに精彩を欠いている、グランプリファイナルでは、続けざまにジャンプを失敗し、高橋、羽生に及ばず3位。とは言え、チャンも王者の誇りにかけて、地元で行われる今回の世界選手権では、態勢を立て直してくるだろう。

 一方、高橋と羽生が、ソチ五輪で金メダルを狙うには、引き続き世界選手権でもチャンに勝っておく必要がある。フィギュアスケートは、多かれ少なかれ「印象」がものを言うスポーツだ。大きな大会で、チャンと互角かそれ以上であることを当然のようにしめすことが、ソチで金メダルを引き寄せる大きな一歩になる。

週刊朝日 2013年3月22日号