爆笑問題 太田光さん  (撮影/写真部・東川哲也)
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爆笑問題 太田光さん  (撮影/写真部・東川哲也)
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 再びの緊急事態宣言でコロナは社会的病となった。芸能界にもその波は押し寄せ、相方が感染するなど、その脅威を目の当たりにした爆笑問題の太田光さん(55)。だが、あえて「恐るるに足らず」と語る。社会を切り取り、笑いを生み出してきた独創的視点でぶった斬る。

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──今年も新年早々、緊急事態の再宣言とコロナ禍の先が見えません。コロナに対する恐怖を多くの国民が感じています。

 僕の受け止め方は、去年の春からあまり変わっていないんです。さほど恐れるものではない、と。ただ、コロナは社会的な病になってしまった。自粛警察という言葉が生まれるとか、世間の反応に対する恐怖はあるかもしれません。テレビなどで伝える側にいる僕らとしては、世の中がどう反応するのかを意識して、たとえば(MCを務める)「サンデー・ジャポン」(TBS系)なんかでも、なるべく恐怖心をあおらないようにしようねということは常々言っています。

──昨年8月には、相方の田中裕二さんがコロナに感染し、「サンデー・ジャポン」の欠席を余儀なくされるということもありました。

 あのときは田中に続いて、番組を担当する山本里菜アナウンサーも陽性になった。サンジャポのスタジオでクラスターが起きたんじゃないかって世間の目があったから、現場では危機感、緊迫感はありましたよね。

──世間の目が厳しくなる要因として、多くのメディアが感染者数を速報することが挙げられます。

 他のワイドショーなんか見てると、コロナを通して恐怖心をあおって、政府を批判するということになりがち。僕は安倍(晋三前首相)さんも菅(義偉首相)さんもいいとは思っていないんだけど、この事態に関しては与党も野党も争わずにできないのかなと。これは去年4月からずっと思っていることだね。

──今回の緊急事態宣言は、小池百合子東京都知事が強く要請したという側面があります。

 小池さんは大した玉だと思いますよ。当初は「この人、嫌だなあ。全部都民のせいにしている」と思ってたんだけど、去年の夏過ぎたあたりから一度冷静になって、そして、今また切羽詰まってきて、今度は見事に国民受けすることをやり始めた。3県の知事と行動を起こすことで菅さんがやらないといけないようにポイントを持っていった。かなり考え抜かれていて、したたか。さすが“女帝”みたいな感じだよね。

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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