このTさんが担当している中1生にとって「エンジェルさん」は憧れの的である。

「Tさんはわたしにとって『女神様』みたいな存在です。寄宿生活を始めたばかりのときにいただいたおメダイ(ブローチ)は、わたしにとってはお守り。テストの前など緊張するときはいつもおメダイを触って心を落ち着けています」

 このメダイは、Tさんが同校の主催する「フランス・ルーツへの旅」に出かけたときに教会で購入したものだという。

 こんなふうに喜々として話をしてくれた中1生も、5年後には「エンジェルさん」として、後輩の世話係に精を出しているのだろう。聞けば、同校の「エンジェル」「チャイルド」は、一生ものの付き合いになるケースが多いという。

 聖心女子学院の創立者である修道女のマグダレナ・ソフィア・バラは「聖心はひとつの大きな家庭です」ということばを残している。このような制度が「聖心ファミリー」の文化、スピリッツの継承に大きな役割を果たしているのだろう。

(文/矢野耕平)

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