「HDLコレステロールは、血管の壁に余分なコレステロールがたまっていると、それを引き抜いて回収する仕事をしています。医師から総コレステロールの値が高いと言われても、その成分であるHDLコレステロールが高いだけなら問題ありません」
次に血液中の成分について。血液は、主に赤血球、白血球、血小板の三つの細胞で構成されている。その大半を占めているのが赤血球で、肺の中で酸素を受け取り、全身に巡らせる役割がある。
赤血球数が基準より少なくなったり、赤血球中のたんぱく質であるヘモグロビンが不足したりすると貧血になる。血液中の酸素が不足し、動悸(どうき)や息切れ、目まいなどの症状が出る。
岡田医師が説明する。
「鉄分が不足すると、赤血球数が正常でもヘモグロビンの値は低くなります。鉄欠乏性貧血になるのは偏食などで鉄分の摂取量が減少するか、胃腸の病気や女性の月経などで持続的に血液が失われている場合です。ですから、偏食を避け、鉄分を多く含む食べ物を取るように心がけてほしいです」
岡田医師によれば、鉄分が多い食品は、あおのり、ひじき、きくらげ、抹茶などだ。
高齢者の貧血は、がんが原因になっていることもあるので、要注意だ。
白血球の役割は、ウイルスや細菌など体内に侵入した外敵を退治することだ。白血球は好中球、好酸球、好塩基球、単球、リンパ球の5種類に分けられ、病気によってどの種類が増えるかが決まってくる。岡田医師が説明する。
「白血球が増える原因で最も多いのは、感染症です。例えば、肺炎や膀胱炎、手足のケガや虫歯などでも増えます」
白血球ががん化すると白血病になる。他のがんと同様に、どんどん増殖して白血球数が極端に増える。感染症では1万~2万個/μlだが、白血病では10万個になることもある。
飲酒が習慣になっている人が気になるのは、肝機能検査だろう。γ-GTPが高くなる原因の多くは、アルコール性の肝炎や脂肪肝だ。ただ、脂肪肝は食べすぎや肥満でもなるという。胆石などで胆道が閉塞(へいそく)した時もγ-GTPは高くなる。
お酒を毎日飲んでいる人は明らかにγ-GTP値が高くなっている。