「まずはお酒を1カ月ほど休んでから、再検査してγ-GTPの数値が改善していればお酒が原因だったことが確認できます。その場合、節酒を実行してください」(岡田医師)

 いまは、アルコールの「害」が危惧されるタイミングだ。新型コロナの感染拡大で、飲食店の営業時間が短縮され、自宅で一人飲みする人が増えている。和田医師はアルコール依存症の増加を懸念する。

「居酒屋などで、大勢で飲んでストレス解消になっているうちは依存症になりにくい。しかし、家飲みは歯止めが利かなくなりやすいのです。テレワークで翌朝、通勤する必要がないなど、アルコール依存になる悪条件が重なっています。ポストコロナ禍として、アルコールやギャンブル依存症が増えないか心配です」

 アルコールの過剰摂取は禁物だが、肝硬変や肝がんの原因の多くは肝炎ウイルスだ。和田医師が続ける。

「B型とC型の肝炎ウイルス検査のほうが重要になってきます。ただし、肝機能が低下すると体が疲れやすくなる。やはり、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPは100まで上がらないように気をつけたほうがいい」

 肝機能が悪化しても自覚症状はほとんどないので、これらの数値が上がっていたら要警戒だ。

 ある日突然、足の親指の関節やくるぶし、ひざに激痛が走る。尿酸と関係が深く、40歳を過ぎたあたりから増えてくるのが痛風だ。

 尿酸は、細胞の核に含まれる物質「プリン体」が分解されてできる老廃物だ。血液中の尿酸が増えると針のような結晶をつくり、関節にたまって激しい痛みを起こす。

 血液1dlあたり7mg超で高尿酸血症という状態になる。放置していると、痛風の発作はくり返し起きる。やはり過度な飲酒や肥満が引き金になることが多い。基準値を超えると薬が処方されがちだが、岡田医師は慎重な姿勢だ。

「尿酸値を下げる薬は、強い副作用があります。痛風発作は消炎鎮痛剤で抑え、その間に飲酒や運動不足など生活習慣を改めてもらいます」

 ただし、あまりにも尿酸値が高くなると、服薬が必要だ。

「9を超えると、薬を出さざるを得ない。痛風発作は相当痛いので、QОL(生活の質)にも関わってきます」(和田医師)

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