でも「夫婦で一生ここに住むべき」と縛られないことが、僕らには一番大切なんです。
妻:島崎景花[53]
カウンセラー、3mani主宰
しまざき・けいか◆1967年、東京都生まれ。新卒採用の会社で、バブル崩壊までゴルフ場の集客営業に奔走。その後、駐日大使館、がん啓発NPO、人材系企業などで働く。2020年にコロナ解雇を機に移住し、国家資格でのカウンセリング業と、オンラインショップ「3mani(トレマーニ)」開業
今日が楽しいという日が、変化しながら続いていけばいいと、北鎌倉を散策する暮らしで考えるようになりました。東京を離れたのは、私の失業がきっかけ。夫婦で「動きたい」と感じて、短期集中、すごい熱量で家を売買して、ここにたどり着きました。その後、創作したハンドメイドグッズをネット販売することに。何か手放さないと、始まらないこともあるんですね。
若いときは自由を制限される結婚や出産に、苦手意識がありました。ところが妻や母になり、人生の可能性や価値観は、むしろ広がった。夫とは新婚旅行から別行動など、お互いが好き勝手。それでいて、次々と新しいことに挑む私を「見ていて飽きない」と応援してくれます。子どもの人格を尊重して、親が踏み込みすぎない子育ての基準は、夫と完全に一致。私たちは過程が違っても、ゴールが同じ夫婦なのかもしれません。
ちなみに彼がヨットなら私の趣味は自転車。どこまでも走ります。そういえば、両方とも一人乗りですね。(構成・三宮千賀子)
※AERA 2021年4月5日号