そしてもうひとつ。これはくら寿司だけのとても珍しいケースですが、普段は食べられない、非常にレアでおいしいネタが、レーン上を流れていることがあります。

 これは、契約している定置網に入った魚をすべて買い取る「一船買い」や、全国110の漁港との直接取引をしているからできるものです。全国のお店に出すほどの量にはならないけれど、お寿司としてはとても美味しく食べられる魚を、期間限定、店舗限定で、レーン上にだけ流しています。

 ネタの種類もたくさんあります。

 これからのシーズンだと、「夏のフグ」と呼ばれ、非常に上品な白身で歯ごたえも最高の「マゴチ」。タイと名のりながら、実際はイサキの仲間で、コリコリとした触感が非常に美味な「コショウダイ」。磯の王者で脂の良く乗った引き締まった身がウリの「イシダイ」や、グレの呼称で釣りファンにはお馴染みの「メジナ」など。そんなお魚のネタが、レーン上に流れていることもあるかもしれません。

 めったに食べられない、とても美味しいネタですので、今度くら寿司に行かれたら、レーン上を流れる「抗菌寿司カバー・鮮度くん」の中身にも注目してみてください。

○岡本浩之(おかもと・ひろゆき)
1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長

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