誤解5 補聴器は一度購入すればその後はお店に行く必要はない

 補聴器は一度購入すれば、その後はもう販売店に行く必要がないわけではありません。補聴器を上手に利用し、快適に生活していくためにも、定期的な調整やメンテナンスなどのフォローが継続的に必要になります。聴力は時間とともに変化するので、定期的な聴力検査とそれにともなう調整が必要です。信頼のおける耳鼻咽喉科や補聴器外来の補聴器相談医を定期的に受診しましょう。

 また、医療機器である補聴器が十分な性能を発揮し続けるには、補聴器自体のこまめな点検や手入れも欠かせません。補聴器の平均的な寿命は使用開始からおよそ5年とされています。補聴器はチューブや耳栓などが傷んでいると音が漏れやすくなったり、聞こえにも影響してきたりするため、補聴器販売店で定期的に交換する必要があります。

 さらに購入後は、使用上とくに問題がなくても、3カ月に1度は補聴器販売店で補聴器の点検をおこないましょう。また、耳垢(あか)のつまりを補聴器用ブラシなどで取り除くなど、こまめにお手入れをすることで、補聴器は本来の性能を発揮でき、より長持ちします。

【監修】
新田清一(しんでん・せいいち)医師
済生会宇都宮病院耳鼻咽喉科主任診療科長/聴覚センター長
鈴木大介(すずき・だいすけ)さん
済生会宇都宮病院耳鼻咽喉科言語聴覚士

(文/石川美香子)
※『「よく聞こえない」ときの耳の本 2021年版』から

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