娘として、息子として、代表として、あいつは役割が多くって大変だろうけど、我が娘ながら大したもんだ。
天龍源一郎の娘ということで、小さい頃からからかわれたり、ずいぶん苦労もかけたが、今もこうして天龍プロジェクトの代表として取り仕切ってくれて、本当によくがんばっていると思う。そして、本当にプロレスやプロレスラーをリスペクトしてるよね! 自分の居場所はプロレス界しかない! とか言ってるね。ある意味バカだね(笑)。
そのうえ、最近では天龍プロジェクトに留まらず藤波選手の息子のLEONA君、長州選手の娘婿の池野君たちと二世会を作って、「日本プロレス殿堂会」の活動もしている。2021年4月に開催した日本プロレス殿堂会の1周年イベントには、俺は緊急入院で参加できなかったが、娘の取り仕切りで安心できる部分は多いよね。これからも殿堂会に参加する機会も多くなるだろうし、お互いにもっと働かないとね。
小さい頃はなかなかかまってやれなかったが、勝手なオヤジを嫌いもせず、女房同様、ずっと支えてきてくれて、こうしてプロレスを好きでいてくれて、その仕事ももう11年目だ。よくこなしているし、よくここまでちゃんと育ってくれたもんだよ。二世といえども嶋田家の娘はなまくらじゃないし、自慢の娘だよ! ちょっとほめすぎて本人が調子に乗りそうだが、入院中の俺だからおとなしく調子に乗らせておこう!
(構成・高橋ダイスケ)
天龍源一郎(てんりゅう・げんいちろう)/1950年、福井県生まれ。「ミスター・プロレス」の異名をとる。63年、13歳で大相撲の二所ノ関部屋入門後、天龍の四股名で16場所在位。76年10月にプロレスに転向、全日本プロレスに入団。90年に新団体SWSに移籍、92年にはWARを旗揚げ。2010年に「天龍プロジェクト」を発足。2015年11月15日、両国国技館での引退試合をもってマット生活に幕を下ろす。