「アトランティックサーモン」は北大西洋に生息する魚種。「トラウトサーモン」は、元々淡水魚である「ニジマス(トラウト)」を海水の中で養殖したものです。現在国内で流通している「サーモン」は、ノルウェーやチリで養殖されたものが多いようです。
回転寿司で一番人気のサーモン。国内での養殖がもっと盛んになれば、遠く北欧や南米から運んでくるのに比べて、冷凍していない生のサーモンを、リーズナブルに楽しんでいただくことができます。
ところが、サーモンは18度以上の水温では生きられません。夏には20度以上になる日本の近海では、半年以上は育てられないんです。
そこで目をつけたのが、淡水魚の「ニジマス」です。ニジマスを一定の大きさになるまで陸上(淡水)で育て、最後の半年だけ、冷たい海の中で育てることで「トラウトサーモン」にする。そんな国産のサーモン養殖の試みが日本各地で行われています。
福井県もそのひとつ。日本海の冷たい海と冬でも比較的穏やかな若狭湾の地形を生かして、「ふくいサーモン」の養殖に取り組んでいます。6年目の水揚げとなる今年は、歩留まりもよくなり、魚体もこれまでになく大きく育っているとのことです。
くら寿司では、国産サーモンの普及促進へ向け、この生の「ふくいサーモン」を業界として初めて、5月14日から16日までの3日間、全国のお店で販売します。
上品な甘さの脂と芳醇なうまみ、そしてなんとも言えないもっちりとした肉質の、「ふくいサーモン」をこの機会に味わってみてはいかがでしょうか。冷凍しない「生」ならではのおいしさに、きっと感動されることと思います。
○岡本浩之(おかもと・ひろゆき)
1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長
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