

漫画「なおりはしないが、ましになる」で発達障害にまつわるエピソードを描く、漫画家・カレー沢薫さん。AERA 2021年5月24日号で、自身の体験と当事者会・マンスリーコムズを通じて考えたことを語った。
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診断を受けても、自分の性格もあるのに都合の悪いことを「発達障害」のせいにしていないかな、という思いはどこかにあります。でも、自分のことがわかって、少し楽になりました。
「片付け」の優先順位は自分にとって高くなく、掃除より自分の興味のあることをしたいから、今の状態で困っていなければ、部屋がキレイじゃないと悩むことが無駄。逆に、気を付けているのは「気の散りやすさ」。執筆に差し障るので、スマホやタブレットを目につかないところに置いたりすることで、かなり状況は改善したと思います。
課題はコミュニケーションで、これまでの体験から、人に接すると迷惑をかけるんじゃないかという気持ちが強いんです。結局問題が起こって自己嫌悪という悪循環に陥るのではと思いつつ、人と仲良くなってみたいという思いは捨てきれないでいます。
発達障害と診断されると、自分は劣っているという考えに陥ってしまいがち。当事者会に参加して、「自分だけじゃない」とわかるのは、とても大きいと思います。発達障害は脳の問題ですが、発達障害ではない人も、みんなさまざまな性格や特性があることに大差はないとも思っています。
(構成・編集部 熊澤志保)
※AERA 2021年5月24日号