受験界のカリスマ、佐藤亮子さん(撮影/掛祥葉子)
受験界のカリスマ、佐藤亮子さん(撮影/掛祥葉子)
この記事の写真をすべて見る
受験カウンセラーの安浪京子さん(撮影/掛祥葉子)
受験カウンセラーの安浪京子さん(撮影/掛祥葉子)
佐藤ママがつくっていた「必殺ノート」の一部(『親がやるべき受験サポート』から)
佐藤ママがつくっていた「必殺ノート」の一部(『親がやるべき受験サポート』から)

 中学受験を考えるご家庭では親がどこまでサポートするべきか悩みどころ。子ども4人が東大理IIIに合格したことで有名な佐藤亮子さんと中学受験カウンセラーの安浪京子さんが対談し、中学受験から高校、大学受験まで役立つノウハウをまとめた書籍『親がやるべき受験サポート』から、受験のための親の心構え、やるべきことについて紹介します。理科や社会、国語の知識系問題は間違った問題をまとめた「必殺ノート」を作ってサポートしていたと話す佐藤さんですが、そもそもノードづくりするようになったきっかけは…。

【佐藤ママが子どもたちのためにつくっていた「必殺ノート」はこちら】

*  *  *

佐藤 そもそも、私がノートづくりをやろうと思ったきっかけは長男が塾に通い始めたとき、いつもはきょうだい4 人で遊んでいたのに長男だけ塾に行かなければならないのがかわいそうに思ったからなんですね。ノートを渡すだけでパッと問題が解けるようにしてあげて、手間を省いて遊ぶ時間を確保してあげたいと思ったんです。

安浪 なるほど。佐藤さんにとっての「前仕事」や「後仕事」は勉強ファーストかつ効率重視、ということだけではなかったんですね。

佐藤 そうですね。けっこう子どもたちは喜んでくれて、大学受験のときも、ノートづくりをしてあげていました。「あのノートはありがたかったな」と今でも言ってくれています。

安浪 子どもが喜んでくれる、って大事ですよね。私は授業のとき、大切な問題を手書きしています。こうすると下の余白に図や式を書けるので解説しやすいですし、子どもも解きやすくなります。

■スッパリ引き下げた

佐藤 なるほど。私も子どもたちのためにいろいろ作りましたけれど、実はムダになったものも多いんですよ。せっかく作ってもやってみたらいまひとつ効果がなかったり、子どもに「これはいらない」と言われてしまったことも。そんなときはスッパリ引き下げていました。

安浪 親はつい「ママがせっかく作ったんだからやりなさい」と言ってしまいがちですが、そこも佐藤さん、潔いですね。

佐藤 結局はいかに子どもの立場になってあげられるか、だと思うんです。「これやろう」と言ったら子どもがニコッて笑ってくれるのが理想。押し付けると嫌になります。

次のページ
「手をかける」ではなく「心をかける」