またロスターの構成にも気になることがある。米国代表はスモールラインナップに近くセンターと呼べるのはアデバヨくらいだが、フランス、スペイン、セルビアなど欧州の強豪国は、センターにオールスター級の選手を揃えているからだ。

 フランスにはルディ・ゴベア(ユタ・ジャズ)、セルビアにはNBAでMVPに輝いたニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)がいるし、スペインには大ベテランとなり今では故郷に戻ったパウ・ガソル(FCバルセロナ)と弟のマルク・ガソル(ロサンゼルス・レイカーズ)がメンバー入り。セルビアは、ヨキッチが最終予選を欠場している他、チームの五輪出場も決まっていないが、出場権を得て来日するとなれば米国にとっての高い壁となるだろう。

 さらにこうした強豪国は、長期的な視点でチーム作りをしており、チームワークが良く攻守ともにシステムが機能している。これは、国際大会の度にメンバーがコロコロ変わり、準備期間が直前合宿だけで大会に臨む米国との大きな違い。米国代表は普通なら実力が発揮できても、一度歯車が狂い出すと、準備不足からそれを修正することが難しくなる。

 例えばビールやリラードは、実力は備わっているしそのネームバリューの破壊力はすごいが、どちらかというと個を押し出すタイプだ。一度乗ると止められないが、その逆になると……。こうしたプレーヤーが組織力で立ち向かう強豪国相手にどんなプレーを展開するかは、米国4連覇のカギの一つと言えるだろう。

 さて、米国代表は下馬評通り五輪4連覇を果たすのか?あるいは、上記に挙げた課題が露呈しワールドカップの二の舞を踏むのか?いずれにしても我々は、スーパースターたちの超絶プレーを存分に楽しみたい。(文/田村一人)

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