ほかにも調整期間中は自宅にお菓子を置かないようにしたり、フルーツに切り替えたりと“誘惑”を断ち切るようにしている。家族としてサポートは惜しまないが、「すべて妻がやる」ことをよしとは思わない。

「スポーツ選手の妻は、夫の食事に命をかけてサポートしていると思われることもありますが、選手は子どもじゃない。自分に必要な量を自己判断で食べるようにしないと、選手自身が考えなくなってしまうんです。だから、料理も大皿で出します。自分でやるようにすることも、サポートの一つだと思っています」

 瀬戸は今大会で、200メートルバタフライと200メートル個人メドレーにも出場。無観客のため、家族といえど会場に入ることはできない。合宿中も毎日、テレビ電話をしているが、五輪への意気込みをどう語っているのか。

「あまりそういった話はしませんが、『金を取るから』ということは言っています。『取りたい』じゃなくて、『取る』という思いはずっと持っているんです」

 妻と2人の子どもたちの期待を背負い、表彰台のど真ん中を目指して迷いなく突き進む。(編集部・福井しほ)

AERA 2021年8月2日号

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