「そもそもSIMとは、スマホに挿入されているICチップのことです。契約者情報が書き込まれており、それに基づいて通話やインターネット通信ができます。格安SIMは利用料金が安いスマホプランの総称。何も難しいことはありません。乗り換えの手続きもラクです」
格安SIMはドコモ、au、ソフトバンクのいずれかの通信設備を借りてサービスを提供している(楽天モバイルは独自)。
■4~10ギガの格安は
設備を借りているだけに回線に制限があり、ランチタイムや通勤ラッシュ時にネットを遅く感じることもある。
「格安SIM会社の回線によってスピードが違いますし、住んでいる地域や場所(戸建て、マンション、窓の有無)によっても違います。UQモバイル、ワイモバイルは総じて優秀なのですが、5ギガや10ギガのプランがありません。OCNモバイルONEはスピードも合格で6ギガ1320円、10ギガ1760円のプランがあります。次点でIIJmio(アイアイジェイミオ)。4ギガ990円、8ギガ1500円などを選べます」
20ギガまで2178円、無制限3278円の楽天モバイルも気になるが、品質はどうか?
「楽天モバイルは現状、地下や障害物に弱いのですが、これも住んでいる場所によります。私は楽天モバイルも使っていますが、快適に使えています」
格安SIMに乗り換える際の注意点は他にもある。
「キャリア専用のAndroidスマホを使っていた人は回線の種類に気をつけて。たとえばドコモのAndroidスマホをau回線の格安SIMで使うと電波状態が悪くなりがちです」
ドコモ、au、ソフトバンクが販売するAndroidスマホでキャリアに最適化された電波・周波数が設定されている場合に起こる現象のようだ。iPhoneユーザーは関係ない。
もう一つ、乗り換えを機に端末も新しくしたいなら、格安SIMの端末セットプランを使う手もある。最近はスマホ本体も円安の影響で高くなった。
「先ほど紹介したOCNモバイルONEとIIJmioでは端末がセットになっているプランも人気です。大幅割引キャンペーンも頻繁にあります」
(金融ジャーナリスト・大西洋平、編集部・中島晶子)
※AERA 2022年12月5日号より抜粋