しかし、ツイッターでの五輪に関する投稿を分析すると、五輪開幕を境にして、否定的コメントを肯定的コメントが大きく上回るようになった。大手メディアも手のひら返しで日本選手礼賛のニュースばかり伝える。NHKは五輪期間中、BSでの世界のニュース放送をストップした。海外の「雑音=五輪批判」を封印するためだ。五輪反対派の中には、「始まるとやっぱり見ちゃうよね」という人も増えている。
こんな話を紹介していくと、キャスターは、「やっぱり、我々は馬鹿なんですかねえ。夢も希望もないなあ」とため息をつくことになる。
これに立ち向かうには、国民の覚醒が必要なのだが、そこで注目しているのが、「パンケーキを毒見する」という菅氏の素顔を描くドキュメンタリー映画だ。何と、五輪真っただ中の7月30日に大々的にロードショー公開された。「これを観れば選挙に行きたくなる」という宣伝文句が菅政権への挑戦状のように見える。試写会当日に理由なく映画の公式ツイッターアカウントが凍結されたのも、菅政権の警戒心がなせるわざなのか。
とにかく選挙に行くこと、もちろん、その前に「忘れないこと」。それが今国民に求められている一番大事なことだ。
※週刊朝日 2021年8月13日号
■古賀茂明(こが・しげあき)/古賀茂明政策ラボ代表、「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。1955年、長崎県生まれ。東大法学部卒。元経済産業省の改革派官僚。産業再生機構執行役員、内閣審議官などを経て2011年退官。近著は『官邸の暴走』(角川新書)など