「ケアハウスに入居したら仕事をしてもいいの?」
大前提として、自立支援型は、身の回りのことはできるけれど、一人での生活に不安を感じているという、自立に不安がある人のための福祉施設だ。個室にトイレ、洗面台、ミニキッチン、エアコン、緊急通報装置があり、3食、風呂付き、職員の見守り付き。そのうえで仕事ができる人は仕事をしてもよいという福祉施設である。
そこで今回、「ケアハウスは、仕事をしてもいい住まい」という観点から、無作為に自立支援型のケアハウスに話を聞いてみたところ、さまざまな意見があった。
まず、地域性があるのか、関東地方のケアハウスの施設長さんに聞くと、仕事をすることに前向きな意見が多くみられた。
「働きたいという人はどんどん働きなさい。認知症の予防にもなりますから」
「うちのケアハウスに入居してしばらく経つと、することがなくてつまらないと相談に来る人がいます。その人たちには『働いてもいいのですよ』『実際にシルバー人材センターに登録して、週に3~4回、働いている人もいますよ』というと喜んで働きに行き、元気になります」
「仕事をしている人は、仕事仲間と釣りや小旅行に行くなど、楽しそうです」
「仕事をしたお金で孫の合格祝いをすると笑顔で報告してくれる人がいて、こちらもうれしくなります」
一方、ケアハウスに入居後、働くという意見に否定的な見方も少なからずあった。
日本海側のあるケアハウスでは、
「ここは雪が深い地域で、風も強いです。少なくとも、冬に働きに行くなんてとんでもないことです。地域性はあると思う」
とのこと。
ほかには「ケアハウスは補助金をもらっているので費用が安い。働いてもいいと書くと、対象外の人が来る心配がある」なども。
多くのケアハウスは、入居希望者から申込書を受け付けて、空室ができたときに本人と保証人に知らせ、その後、双方に来てもらい、理解を得た上での入居となる。
低所得、ひとり暮らしなどで自立に不安のある人のための住まいなので、現役でバリバリ働いている人は対象外。年金生活者の多くは全部税込みで7万円台で暮らせる。