年金で暮らせるケアハウス(軽費老人ホーム)を紹介するシリーズの7回目は、日本海側の地域。今回は働きながらケアハウスで暮らすことについて考えてみました。「認知症予防にもいい」と勧める施設もあるようです。介護福祉士でライターとして活動する栗原道子さんがお届けします。
* * *
お風呂から望む春の新緑や秋の紅葉、雪景色、海に沈む夕日……。日本海側には「うちから見える景色は絶品」という景色自慢のケアハウスが多い。食事も新鮮な魚に豊富な山菜と、魅力は尽きない。
施設の特徴としては、ケアハウスには大きく2種類(自立支援型、介護型)あるが、この地域では、この二つの「混合型」が他地方より多いという点だ。
自立支援型と介護型のフロアが異なっていたり、居室を替えたりする施設もあるなかで、混合型では、自立時に入居した部屋のまま介護型(特定施設入居者生活介護)のサービスを受けられる施設もある。
自分の家で最期を迎えたいという人は多いが、元気なときに入居したケアハウスの部屋も、いずれは思い出が詰まった自分の家になる。その家で24時間、ケアハウス内の介護職員に見守ってもらえるのは心強い。
さらに、日本海側の特徴としては雪国も多く、お年寄りにとっては、雪下ろしや雪かきが何よりこたえるという話も聞く。体力的な問題や、事故などによる命の危険にもかかわる。
そうした特殊事情があるなかで、たとえば山形県の「ケアハウスめざみの里」は、雪の多い期間だけの入居ができるという、地域のニーズに合った利用ができる。また、病院を退院後、自宅での生活に不安のある人も受け入れてくれる。
退院後、自立できるまで入居できて、元気になってから自宅に帰ることができるという利用方法は、石川県の「ケアハウス山代温泉ヴィラ」でも取り入れている。
このように、サービス内容はケアハウスによって異なるため、実際に見に行ったり、施設に聞いたりして、確認したほうがいい。
筆者も読者の方から問い合わせを受けることがあるが、こんな質問をいただいた。