――弊社の週刊朝日も来年100周年ですけど、どうしても雑誌を買ってくださる読者って年齢層が高いじゃないですか。新谷さんがおっしゃるような現役世代に読者層を下げると雑誌が売れなくなるという心配はありませんか?

新谷:下げるのではなく、広げるということです。私にとっては、自分が作る雑誌は自分が読みたい雑誌であるということが、大前提なんですよ。少なくとも自分が面白いと思えないものを誌面化したいとは思わない。売り上げを立てるため、高齢者向けのネタが必要だと上から言われ、自分が関心を持てない企画を並べる必要があるのであれば、やりたくないし、やらないですね。

――新谷さんは6月末まで3年間は週刊文春局長という立場で、むしろ週刊文春を管理する側でした。7月に『獲る・守る・稼ぐ週刊文春「危機突破」リーダー論』という著書も出されています。局長として院政をしいているのかと思いきや(笑)、あまり現場には口出しはされなかったそうですね。

新谷:基本的には現場に任せっぱなしですよ。そもそも局長と編集長の関係って難しいんです。私は週刊文春で編集長を6年3ヶ月もやっていましたが、その時代、局長、コンプライアンスに口を出されると、煩わしさを感じたし、基本的にブレーキ踏みに来ますからね。逆に私は局長になってアクセルを踏んでました(笑)。文藝春秋は伝統的に、「雑誌は編集長のもの」というのが社内のコンセンサスです。ただ必要なブレーキはあるから、聞くべきことは聞くけど、箸の上げ下げというか、細かいところまで関わりたがったりすると現場がうっとうしいのは、よくわかる。だから必要があれば言ってくるだろうっていう気持ちで構えていました。局長が現場に口を出すと二重権力なってしまうから。だから局長時代は「スクープを獲る」を卒業し、「スクープで稼ぐ」を3年間は結構、真面目にやっていましたね。

――新谷さんのDX構想はすごいですが、今もガラケー使っていますね

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