リタイアメントライフに詳しいファイナンシャルプランナーの澤木明氏は、誰でもチャレンジできる手法としてチョイ働き(B‐1、C‐1)を勧める。

「60歳代前半はともかく65歳や70歳を過ぎてくると、体力的には働くのがきつくなってきます。だからフルタイムよりも短時間労働を考えたほうがいい。週3日、1日6時間程度働くパートやアルバイト的な仕事です」

 パート・アルバイトの時給は現在千円強(東京の場合)だから、この働き方だと週に2万円弱、月で7万~8万円になり「年100万円」がほぼ達成できる。

「これぐらいの仕事なら働き口はいっぱいあります。都会なら鉄道の駅近くにある駐輪場の管理人や、公共施設、公民館や体育館の受付などです」(澤木氏)

 東京しごとセンターが出している「シニアのしごとガイド」によると、このほかマンション管理や調理補助、介護ヘルパー、警備などが候補になりそうだ。

「会社員時代のプライドを気になさる方がいらっしゃいますが、そんなものは早く捨ててしまったほうがいい。私の知っているケースでは、シルバー人材センター経由で製品検査のお仕事をなさっている大手企業の元部長さんがいらっしゃいます」(同)

 ゴルフ好きなど、しっかりした趣味を持っている人で、仕事がない日を趣味に充てたい場合などにぴったりだろう。趣味にかかるお金を仕事で稼げれば最高だ。

「まだまだ若い」とフルタイム(B‐2.3、C‐2.3)で働きたい人もいるだろう。先の大江氏は大手証券会社の出身で、自ら60歳の定年後に起業した経験を持つ。

「65歳以降も会社で働くつもりなら、そうできるように準備をしておくべきです。再雇用で働いている場合は、再雇用の働き方に安住していてはいけません。プレッシャーや責任があまりない状態に慣れてしまうと、元に戻れなくなってしまうからです」

 準備として大江氏が勧めるのは、会社以外の人との付き合いを増やすことだ。コロナ禍の今は難しいが、趣味や遊び、フェイスブックのオフ会などなんでもいいので、さまざまな集まりに参加して人との「つながり」を深めてほしいという。

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