70歳まで働く場合は、次の3パターンだろう。年金を65歳からもらいながらチョイ働きのタイプ(B‐1)とフルタイムで働くタイプ(B‐2)、そしてフルタイムで働いて年金は5年繰り下げて70歳からもらうタイプ(B‐3)だ。

 75歳まで働く場合は、組み合わせはいろいろあるが、年金をもらいながら10年間ずっとチョイ働きのタイプ(C‐1)、70歳まではフルタイムで次の5年間はチョイ働き、年金は5年繰り下げて70歳からのタイプ(C‐2)、ずっとフルタイムで年金も10年繰り下げて75歳からのタイプ(C‐3)の三つが主になりそうだ。

 まずはお金の面である。

収入はフルタイムが「年収300万円」、チョイ働きが「同100万円」、年金は老齢基礎年金と老齢厚生年金で「65歳時、年200万円」の平均的な元会社員を想定、AからC‐3までの7パターンについて黄金期20年間の収入を試算した。

 改めて「働く」ことと年金「繰り下げ」が家計に絶大な効果を生むことがわかる。

 従来型Aの20年間の収入が4千万円であるのに対し、75歳までフルタイムで働き年金も10年繰り下げるC‐3は6760万円にもなる。Aより実に約2700万円も多い。70歳までの5年間、「働く」ことと「繰り下げ」の両方の効果を出せるC‐2、B‐3がそれぞれ6380万円、5880万円で続き、フルタイムで5年間働くB‐2も約5600万円まで伸ばせた。

 生活費を年300万円(月25万円)として配偶者の年金を別に考えると、Aの全期間、B‐1.2の70歳以上、C‐1の75歳以上は年100万円単位で貯蓄を取り崩さなければならないが、これはB‐1.2は5年間、C‐1は10年間、取り崩しを始める時期を遅らせることができたと見るべきだろう。C‐2の70~75歳、C‐3の75歳以上では、取り崩すどころか逆に貯蓄ができる。

 これだけ実入りが増えるのだから、金銭面から見ると65歳以降も働く生活はとても魅力的だ。気になるのは働き口だが、これこそ人それぞれだ。

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