保健所や、在宅訪問をしている医療機関に病状を報告するときに、この記録が役に立つ。
大阪市の家族のように、幼い子どもが感染した場合、基本は徹底できるだろうか。東京都医師会副会長の角田さんが言う。
「感染予防の理想と現実は違います。小さいお子さんであれば、マスクをずっとつけておくのも難しいでしょうし、部屋にひとりで置いておくわけにもいきません。抱っこしたり、顔と顔を近づけたりするのも、回数は減らせてもゼロにはできない。親が感染リスクを覚悟して、子どもと接するしかない」
■「共倒れ」にならない
シングルマザーやファーザーでなければ、両親のどちらかが看病にあたる。共倒れにならないよう、看病する人も、ほかの家族と接触する機会は減らした方がいい。大阪市の夫婦も「感染を覚悟している」というが、家では常に不織布マスクを着用し、消毒も徹底しているという。
「高熱で動けなくなりそうになったら、電子レンジの使い方や救急車の呼び方は教えるつもりです」(大阪市の女性)
それでも、親のどちらかが感染してしまったら?
「子どもを含む感染していない家族と接触をしない。シングルマザーやファーザーだとそうも言っていられませんが……。ただ、幸いなことに子どもは感染しても、無症状か軽症ですむと言われています」(角田さん)
(ライター・羽根田真智、編集部・野村昌二)
※AERA 2021年9月20日号より抜粋