加湿空気清浄機をエアコンの向かい側に設置して天井に向けて風を送るようにしたり、床暖房を併用したり。エアコンの湿度を上げることでも寒さを感じにくくなる。電気代を上げたくなければ、室内機から遠い窓を開けて換気を行うといい。

 前出の大阪市の家族も、子どもたちの食事中と入浴時には十分換気をし、空気清浄機もずっと稼働させているという。

 それでも看病する人には、感染のリスクがつきまとう。

「部屋に入る時は、接触感染を防ぐために、手袋をはめます。手袋はビニール製のもので、使い捨てタイプを使用してください」(〆谷さん)

■着替えの順番も大事

 基本装備は不織布のマスク、手袋、ゴーグル(メガネやフェースシールドでも可)。専用のかっぽう着も欲しいが、なければビニール製のカッパか、大きなポリ袋を切って貫頭衣のようにしてもいい。部屋から出たら、手袋、マスクはポリ袋に入れて密閉して捨てる。ポリ袋の服も使い捨てだ。部屋の入り口にゴーグルやかっぽう着をかける専用の場所を作り、看病する人以外は触れないようにする。

 感染者の衣服を扱う時は手袋とマスクをつけ、家庭用洗剤で洗濯して完全に乾かす。身にまとう手順にも念を入れたい。下山さんによれば、手袋は2枚使う。1枚目の手袋をはめてからかっぽう着を着用。そして2枚目の手袋をはめ、感染者の部屋に入る。部屋の外にはゴミ袋を用意しておき、縁を外側に折り曲げておく。部屋から出たら2枚目の手袋を捨て、1枚目の手袋をはめたままかっぽう着を脱ぎ、裏返しにして部屋の外にかける。最後に1枚目の手袋を取ってゴミ箱に捨てる。

「ゴミ袋の口を縛る時は、折り曲げておいた袋の縁の内側に指を入れれば、ウイルスが手につくリスクを減らせます。この時も、手袋、マスクを着用するのを忘れずに」(下山さん)

 これらは在宅医療で介護者が感染リスクを減らす方法だ。看病の度に、手洗い、手指の消毒、うがいも徹底する。感染者の経過を記録することも大切だ。

「1日2~3回、体温やパルスオキシメーターで測定した血液中の酸素飽和度、脈拍数、症状、食事の量、飲んだ市販薬、気づいたことや気になったことを、時系列が分かるようにノートに書きとめておきます」(同)

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