河野太郎行革担当相(C)朝日新聞社
河野太郎行革担当相(C)朝日新聞社



 すると、リベラル層は、「それなら河野を支持しよう」と思う。また、細田派が岸田氏または高市早苗氏の支持を打ち出し、河野氏と敵対する姿勢を見せたのも、やはり、河野は安倍と闘っているという認識につながる。さらに、石破氏が、森友問題再調査の重要性を強調しながら河野氏を推したことは、河野氏は再調査に賛成なのではないかという憶測を呼び、だから安倍氏が河野潰しに必死なのだとの連想を生む。

 さらに、ここに来て、トヨタの社長が電気自動車へのシフトに声高に異論を唱えた。これは、河野氏が提唱するグリーン革命の否定だととらえられる。電力会社を含め、これら大企業が、利権を守るために、経産省と組んで反河野キャンペーンを強化しているのだ。

 河野氏が如何に穏健路線を演出しても、周りは、長老支配の安倍麻生利権政治に立ち向かう河野太郎と囃し立てる。それが判官贔屓の河野大フィーバーとなり、総裁選大勝利につながる。その勢いで総選挙に突入すれば、KIKがリベラルや無党派層の票を集め、自民が圧勝するかもしれない。 

 総裁選が「安倍政治の終焉」となるのかどうか。そこが一番の見どころである。

週刊朝日  2021年10月10日号

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