コロナ禍のなか、人気が上がった学部系統はあったのか。
「比較的人気を保ったのは、医学、保健衛生などのメディカル系と理工系。連日コロナ関係の報道がされるなか、医師の活躍やワクチンや治療薬の開発などに興味をもった学生が多かったのかもしれません。また、主要産業だった観光業界への就職が厳しくなった地方では、地元に残って働く手段として、メディカル系を選んだ人もいたでしょう」
反対に、人気が下がった学部系統は何だったのか。
「コロナ禍で海外渡航が難しくなり航空・旅行業界が大打撃を受けた影響で、外国語と国際関係は、顕著に志願者が減りました。ですが私は、これらの学部は案外狙い目なのかもしれないと考えます。25年には大阪・関西万博が、26年には愛知・名古屋アジア競技大会が予定されていて、今の高校生が社会に出るころには外国人旅行者が戻っているはずです。また、オンラインで世界と手軽につながれる現在、現地には行けずとも国際交流の機会は増え、語学力や異文化理解に優れた人材は重宝されるでしょう」
21年から始まった大学入学共通テストについて、石原さんはこう評価する。
「全体的によくできていましたが、初年度だから様子見で『サービス問題』だったともいえます。1979年に共通一次試験が導入されたときも、90年に大学入試センター試験がスタートしたときも、初年度は得点しやすく、2年目、3年目は平均点が下がりました。2022年度は問題が難しくなることが予想されますので、基礎的な学力をしっかりつけて臨みたいですね」