9月6日、共同通信が眞子さまの結婚を踏まえた「政府の方針」を報じた。皇族数確保策として「天皇ご一家と現存の4宮家を存続させる構想」だという。女性皇族が結婚後も皇籍を維持するよう求めた有識者会議の案を踏まえ、「愛子さまが天皇ご一家に残り、佳子さまが秋篠宮家を継ぐことを念頭に置く」とあった。平たく言うなら、愛子さまと佳子さまは結婚しても一生皇室にいる。そういう構想だ。
佳子さまは19年、大学卒業に当たって公表した文書で、眞子さまの結婚について「姉の一個人としての希望がかなう形になってほしいと思っています」と述べた。皇室を出たいという思いへの共感だと理解した。だとすれば、共同通信が報じた政府案は、佳子さまにとって決して歓迎すべき内容ではないはずだ。
それでも23日、佳子さまは手を振っていた。心の奥底はわからない。だが仕事に行く道すがら、笑っていた。長く働いてきた女性として、少しだけほっとした。笑えない職場なんて、絶対にダメなのだ。
眞子さまは会見にどう臨むのだろう。どんな形でも率直な思いを語ってほしい。新しい人生への一歩が笑顔で迎えられますように。今の願いだ。(コラムニスト・矢部万紀子)
※AERA 2021年10月11日号