客席とグラウンドを近づけた新球場「エスコンフィールド北海道」
客席とグラウンドを近づけた新球場「エスコンフィールド北海道」

 両球団が同じ条件下でプレーするのだから、平等性という意味では球場規格はよほどひどいものでないかぎり、大きな問題ではない。私の現役時代などは捕手の後ろが狭いと感じる球場があった。そして技巧派の私はバックネットが近いほうが投げやすかった。だから、そのままでも面白いとは思うが、意見は分かれるだろう。一番はファンの方々が安全かつワクワクする球場であってほしい。

 12月9日には、移籍の活性化を目的として初めて現役ドラフトが開催される。簡単に言えば、各球団が自分の球団の2人以上を選択してNPBに提出。最低24人集まったリストから、他球団が指名して移籍するというものだ。各球団が選択する2人以上の選手は、外国人選手や複数年契約選手、FA資格を持った選手、育成選手などはのぞかれる。24人以上のリストの中から、各球団1人は指名しなければならない。その指名順や方式は複雑だが、簡単に言えば、自軍選手を指名された球団が、他球団のリストからほしい選手を獲得する方式だから、1人放出して1人を獲得する。最低12人は移籍となる。

 時間をかけて積み上げられた画期的なドラフト。いろいろな問題点はやってみて初めて出てくることもある。批判や失敗を恐れないでほしい。歴史や伝統を重んじるだけでなく、ぜひ柔軟な発想で時代の変化に即した対応をしてもらいたい。

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝

週刊朝日  2022年11月25日号

暮らしとモノ班 for promotion
2024年この本が読みたい!「本屋大賞」「芥川賞」「直木賞」