「今季、攻撃面の選手起用などは小久保ヘッドに一任されていた。チームの調子が上がらない中、従来のレギュラー陣に固執し過ぎて打開策を見い出せなかった。長丁場のシーズンを任せるには経験不足を露呈してしまった。また時間が経過しているとはいえ過去の女性問題、脱税問題に不安を抱いている関係者がいるのも事実。盟主を自認する球団としては慎重にならざるを得ない」(スポーツ新聞野球担当記者)
小久保ヘッドの現役時代の実績、リーダーシップは文句のつけようがない。引退後も13年10月に常設化された侍ジャパンの初代監督に就任。17年の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)ではチームを準決勝進出に導いた。しかし今季は調子が上がらない松田宣浩、今宮健太など昨年までのレギュラー陣を多く起用し、シーズン中に流れを変えられなかった。一本気な性格が逆効果になっているようにも見えた。
小久保ヘッドの他に、後任候補として名前が挙がっているのが、かつて同チームを率いた秋山幸二氏だ。
「前監督の秋山氏を挟み、万全の体制で小久保監督誕生という可能性も浮上している。投手出身の工藤監督、野手出身の秋山監督の下で指揮官としての幅を広げ『小久保野球』を作り上げて欲しいということだろう」(スポーツ新聞野球担当記者)
秋山氏は05年にソフトバンク二軍監督に就任し、松田、本多雄一(現一軍内野守備走塁コーチ)といった、のちの中心選手を育て上げた。08年オフに王貞治監督(当時)を継ぎ一軍監督に就任すると、監督通算6年間でリーグ優勝3度(10年、11年、14年) 、日本一2度(11年、14年)、Aクラス5度と安定した成績を残した。現在はソフトバンクだけでなく、もう一つの古巣・西武の次期監督としても名前が挙がっていると噂されている。
また、過去にチームの主力選手として活躍した城島健司氏も候補の一人だ。
「城島の待望論は強い。セ、パ両リーグと、メジャーリーグを経験した選手としての実績。工藤監督など先輩方から叩き込まれ勉強を重ねた野球理論。世間に対して発信力もある明るい性格。名監督になるだけの資質、カリスマ性を兼ね備えている。本人は否定するが、監督打診をしている他球団もあるという話も聞く。ソフトバンクは絶対に手放せない人材」(ソフトバンク担当記者)