廣津留すみれさん(撮影/戸嶋日菜乃)
廣津留すみれさん(撮影/戸嶋日菜乃)

――海外大を目指す学生に、日本で準備しておいたほうがよいこと、メッセージは?

 よく言われることですが、日本のことをもっと知っておくことだと思います。私が1年生のときにアメリカではオバマが大統領に選ばれたんですが、決まった瞬間、それぞれの寮から叫び声が聞こえて、走り回っている人もいたんですよ。あまりに嬉しくて。みんな18歳で初めて得た選挙権、しかも黒人初の大統領が生まれた歴史的瞬間。そんなときにも、アメリカと日本の選挙の仕組みの違いなど、政治のシステムをもう少し分かっていたら、もっと濃いディスカッションができたのになと思います。

 また、海外の大学に行きたいと言ったら反対する親御さんもいると思います。ハーバードより東大、と考える先生もいるかもしれません。私も高校の先生から東大の試験も受けるように言われたのですが、自分の意志で決めてよかったと思っています。海外大を目指す高校生の方には、大人の言うことを聞くな、ということをメッセージとして伝えてもいいかもしれません。 

(中村さやか) 

廣津留すみれ/ひろつる・すみれ
バイオリニスト、成蹊大学客員講師・国際教養大学非常勤講師。1993年、大分市生まれ。2016年にハーバード大学(学士課程)、2018年にジュリアード音楽院(修士課程)をいずれも首席で卒業。世界的チェリスト、ヨーヨー・マとの共演のほか、ゲーム「ファイナルファンタジー」シリーズの演奏・録音などを担当。テレビの情報番組にコメンテーターとして出演も。著書に『ハーバード・ジュリアードを首席卒業した私の「超・独学術」』(KADOKAWA)など。

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廣津留さんがバイオリンで奏でる「夏色」