「岸田首相のお膝元効果はある。斉藤氏は現職大臣だし、落としたら全国の自公協力にもヒビが入るから相当テコ入れしている。河井事件の影響も、4月の参院再選挙で野党候補が勝ち、有権者のガス抜きは済んだとの見方もあります」

香川1区は前デジタル相の平井卓也氏と、立憲の小川淳也氏が火花を散らす。小川氏を追ったドキュメンタリー映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」の大島新(あらた)監督は現在、新作「香川1区」を撮影中だ。大島監督に選挙戦の見立てを聞いた。
「長く取材していますが、公示日の小川陣営はボランティア、支持者も含めこれまで以上に熱気がすごく、期待値が高まっている印象です」

一方の平井氏は、親族が地元の四国新聞の経営者。傘下の西日本放送など関連企業も多く、現地にいると平井家の牙城だと実感するという。
「小川さんが維新に対して香川1区での候補者の取り下げを要請したときも、四国新聞はここぞとばかりに批判しました。ただ、同紙はある種の『平井新聞』であることは多くの人がご存じですから、どこまで効果的かはわかりません」(大島監督)
地元紙vs.映画の「メディア戦争」はどちらに軍配があがるか?(本誌・秦正理、亀井洋志、大谷百合絵)
※週刊朝日 2021年11月5日号