18区を地盤とする菅氏は1996年から2009年までの衆院選で5回連続の当選を果たした。だが、12年と14年は小選挙区で落選し、比例最下位でなんとか復活。17年は次点候補にわずか1000票差まで迫られるなど、最近は選挙に強いとはいえない。
今回も接戦模様で、朝日新聞が23~24日に行った情勢調査では、両候補は互角の戦い。無党派層の支持は約4割が長島氏、5割近くが菅氏と伯仲している。
首相経験者が落下傘候補に敗れたとなれば、立憲民主党にも大きなダメージとなる。それゆえ、自民党は東京18区を「重点選挙区」と位置づけ、これまでも安倍晋三元首相や菅義偉前首相、麻生太郎副総裁、小泉進次郎氏といった大物議員が応援に入っている。
そして27日には、岸田首相が応援に駆けつけてテコ入れを図った。岸田首相は、長島氏の外交・安全保障の手腕を強調した上で、
「長島さんは日本になくてはならない存在です!」
と声を上げた。さらにポケットから、聴衆の話を聞き取った「岸田ノート」を取り出し、自身の「聞く姿勢」をアピールすることも忘れなかった。
さらに、この日は岸田首相の演説後に“大物の助っ人”が現れた。物まね芸人のコロッケさんが、さっそうと登場するや、街頭に立つ長島氏に加勢。途端に人だかりができ、記念撮影を求める人が続いた。大学生らと撮影をする様子を見ていた陣営関係者は、「長島候補も、若者の選挙離れを心配されている。(若者に話を聞いてもらうために)コロッケさんがとっかかりになってくれている」と満足げだった。
コロッケさんと長年の友人であるという長島氏は横に立ち、「単なる飲み友達ではありません」。コロッケさんと児童虐待防止の運動で連携してきた経緯を語りつつ、自身の熱意をアピールした。
記念撮影の合間、コロッケさんに話を聞いた。なぜ、長島氏の応援に駆け付けたのか。
「もともと知り合いで、10年以上前から一緒に食事をするなどしてきました。彼と話していると、誠実な人柄であることがわかる。私は児童虐待をテーマにした『189』という映画に出演させていただいているのですが、長島さんには児童虐待をなくすための運動の功労者になっていただいています。また、防衛のこともこの数年は心配なことが続いていましたが、彼の安全保障政策には期待しています」