「W杯常連国となった日本代表の最終予選にはうまみがなくなり番組スポンサーも集まらない。テレビ局側もコロナ禍で予算が大幅削減されサッカーに巨額投入できない。注目が集まる本大会中継を見据えての判断でもあった。最終予選は形式的なものでスムーズに勝つと思っていたら蓋を開ければこの状態。多くのファンは重要度が増したアウェー戦を見守ることができなくなった」(大手広告代理店関係者)
「今予選は絶対有利なホーム初戦をオマーンに0-1で落とした(9月2日)。何があるかわからないことを改めて痛感させられた。今後、アウェー試合を見られないのは国民なら納得いかない。そういった声が多く寄せられ日本サッカー協会も腰を上げたようです。ホーム試合にできるだけ多くの集客をするとともに、アウェー試合の放映権を手に入れてくれるテレビ局を探し始める動きが見られる」(関東キー局スポーツ担当)
森保監督の進退が騒がれたオーストラリア戦では、PCR検査での陰性とワクチン接種済みのファンを対象にJFAシートを追加販売した。表向きは日本政府が実施するワクチン・検査パッケージやQRコード等の技術実証に協力するという大義名分だった。もちろん日本政府への協力の意味もあったのだろうが、ファンの応援を必要とした形にも感じられる。
「JFAシートが設置されたのはバックスタンド2階席という試合中継に映り込みやすい場所。スタジアムが埋まっているように見えれば盛り上がりを伝えられる。テレビ視聴者はもちろんテレビ局、広告代理店側へのアピールもあります。予選は始まっているが、これから先のアウェー試合の放映権を取得してもらいたい意図が見える」(サッカー関連スポーツライター)
DAZNがAFCと全放映権契約をしているが、ホーム試合のテレビ朝日と同じようにDAZNとのバラ売り契約もできる。極端な話、今後のアウェー試合をNHKと民放各社が1試合ずつの持ち回りをすること自体は可能ではある。そのためにも日本代表が盛り上がっていることを証明する必要があったということだ。