
従来の血管内治療と同様にカテーテルを血管内に入れる。そこに接着剤の入ったピストル型の注入器をつなぎ、接着剤を注入して、皮膚の上から血管を圧迫してふさぐ。
「治療は約20分で、当日からジョギングなどの運動が可能。仕事も普通にできます。治療後5年までは従来の血管内治療と同等の効果が得られています」(同)
ただし、副作用として約6%に治療した部位が赤く腫れる静脈炎が起こる。また、まれに接着剤の成分にアレルギー反応を起こす場合がある。
「接着剤の成分は5年ほど体内に残りますが、安全です。まだ長期的な効果は明らかではないため、焼灼を希望しない高齢の人などに特に向く治療と考えています」(同)
なお、皮膚の表面に近く、蛇行がひどい静脈瘤や太い静脈瘤に対しては、ストリッピング手術でないと治療が難しいケースもある。
一方、一部の医療機関では軽症の人に治療をすすめたり、ひどい場合には静脈に異常がない人に手術をしているケースがある。診療に疑問がある場合は別の医療機関にセカンドオピニオンを求めてほしい。
(文・狩生聖子)
※週刊朝日 2021年12月3日号