すなわち、現金という流動資産を一旦「タワーマンション」という固定資産に変え、十分に利用したら、またほぼ同じ金額の流動資産や他の固定資産、金融資産などに変えるという作業を計画的に行うという流れだ。

「つまり1億円で買ったマンションが、10年間住んだ後も1億円で売れる可能性が高い、という理由からタワーマンションを選ぶ人も少なくない。タワーマンションは、街の再開発とセットで建てられるケースも多く、一般的に駅近であればなお価値が下がりにくいと言えます」(後藤さん)

 Aさんもこんなことを言っていた。

「いざとなれば、買った時と変わらない金額で手放せる物件。この新築タワーマンションは、その条件に当てはまると思いました」

 なるほど、今、タワマンを買うのは意外と堅実な選択肢なのかもしれない。しかし、大きな買い物には、ときに意外な落とし穴が潜んでいるもの。次は、長い目で見たときの不動産リスクについて説明しよう。(松岡かすみ)

>>【後編:新築マンション高騰の裏で設備がチープ化?ローンを返せない共働き夫婦も 超低金利時代の落とし穴】に続く

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