30日に行われる立憲民主党の代表選。4人が立候補者しているが、「スターがいない」「主張が似通っている」など世間ではイマイチ盛り上がりに欠けている。内部からは代表選はどう見えているのか。10月の衆院選で立憲民主党から立候補して当選した3人の元ジャーナリストの一期生たちに聞いた。
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都心でぐっと気温が下がった週末、JR有楽町駅前では、代表選の候補者の一人、小川淳也衆院議員(50)が街頭演説を行っていた。小川氏は演説をしながら感極まって目を赤くし泣きだしそうになる場面も。対話の姿勢を重んじているだけあって、20代の聴衆からの「立憲は身内に甘い」「自分のまわりの10代、20代で立憲を支持している人がひとりもいない」という厳しい質問にも一つ一つ答えていた。
「(私が)仮に新代表に就任させていただけたら、新代表がどれほどの熱意とどれほどの誠意で有権者のみなさまと徹底的に対話しようとするか。そのことを通して、私が生んでいきたいのはまず熱なんです…これまで日本の国内で見たことないような信頼にたる政治をつくりたいと思います」
聴衆は300~400人ほど。小川氏は4人の候補者のうちで最も一般的な知名度は高いものの、演説がその場に偶然居合わせた買い物客や通行人を巻き込むほど盛り上がっているかというとそうでもない。輪の外に出れば、皆、足早に過ぎていく。ステージから下りてきた小川氏を直撃した。
代表選が今一つ盛り上がりに欠けるのは何故かと問うと、小川氏は「それは総理大臣を選ぶ(自民党の)総裁選挙と同列にはいかないです」。もっと盛り上げる手だてはないのかという質問には「どうですかね、自分たちは自分たちのことをやるだけだから」。
ややもの足りない答えが代表選を象徴しているようにも思えるが、内部の議員はどう思っているのか。まずは、小川氏の25人の推薦人の1人に名前を連ねている鈴木庸介議員(46)の意見をきいてみよう。衆院議員会館の事務所を訪ねた。
鈴木氏はNHKの元記者だ。「NHKではおもに首都圏放送センターに勤め、警視庁担当をして事件取材が多かったです。NHKには約7年間勤めて退職しました」(鈴木氏)。
立憲のどのグループにも所属しておらず、小川氏とは「挨拶程度したことがあるだけ」(鈴木氏)という。ならば、なぜ推薦人になったのか。