番組の収録や生放送では、常にいろんなことが同時に起きる。それゆえ「ピンポイントの狭い視点」「全体を俯瞰する視点」「自分自身を客観的に観察する視点」などいろんな視点を切り替えながら番組を進行させている、川田さんらしい対処法とも言える。
「そうやって自分を見直すと、どうしようもない悔しさで泣いているのか、実はちょっとしたことで解決できる些細なことで悩んでいるのか、もしくは泣いている自分に酔っているだけなのか……といったことがわかるんです。観察しているうちに、たかぶっていた感情が徐々に落ち着いてきます。とことん悩む日があってもいいと思うのですが、大事なのは次に何をすべきか、そこに自分の気持ちをどう持っていくかを探ることですよね」
大事なのは切り替え、と川田さん。仕事柄、今日の現場が終われば、明日は違う現場で仕事をする。
「その日の失敗はその日のうちに何が悪かったを考えますが、それほど落ち込まない失敗というのもあって、それについては特に掘り下げず、気持ちを切り替えるようにしています。自分が満足のいく仕事ができたなら、いいことも悪いことも引きずらない。いいことも要注意で、今日できたことが明日もできるとはかぎりませんよね。それは今日できなかったことが明日できるかもしれないということにもつながると思います」
この潔さも、多くのタレント、キャスターから「また一緒に仕事がしたい」といわれる所以だろう。
現在は、テレビの仕事だけでなく、YouTubeで子育て情報を発信してもいる。
「昨年、第一子を出産したのですが、ちょうど新型コロナが蔓延しはじめた時期と重なって、自分が予定していたよりも産休育休を長くとることになりました。はじめての子育て、さらにコロナ禍もあって不安も強かったのですが、私がそう感じているということは同じように感じて、いろいろと検索している人もいるはずだと思ったんです。そんな人に『私はこうだったよ』というのを届けたくてはじめましたが、同じように子育て中の女性からコメントをいただいたり、小児科の待合室で一緒になった方から『見てます』と言っていただいたりするのがうれししいですね」