石井一久監督(楽天) 評価:C
今年からGM兼監督に就任し、大物ルーキーの早川隆久の加入、田中将大の電撃復帰など優勝への機運は高まっていたが結局3位に終わった。2018年9月にGMに就任してからFAやメジャー帰りの選手を積極的に獲得してきたが、かなりの金額を投じた割には十分な結果を残せているとは言えないのが現状だ。投手陣も野手陣も主力メンバーは軒並み30歳を超えており、来年以降はさらに厳しい状況となることが予想されるが、将来を考えての補強や若手の抜擢はとてもではないが十分とは言えない。中長期的な視点でチームを強化する必要のあるGMと、現場での勝利を考える監督を兼任するということがそもそも無理のある話である。石井監督本人だけの問題ではないが、今一度体制を見直す必要があるのではないだろうか。
工藤公康監督(ソフトバンク) 評価:C
シーズン開幕前は圧倒的な優勝候補に挙げられていたものの、監督就任以来初となるBクラスに沈み、今シーズン限りで退任となった工藤監督。故障者が多かったというのもあるが、ここ数年間のリリーフ陣のフル回転と外国人のベテランに頼ってきたツケが回ってきたという印象は強い。特に投手出身の監督でありながらも、投手起用については特定の選手に負担がかかるものになっていたことは明らかで、毎年のように大きな故障に見舞われる選手が出ていた点の責任は工藤監督にもあると言えそうだ。日本シリーズ4連覇を達成した点は評価できるものの、数年前から世代交代が必要なチーム事情は分かっていただけに、有効な対策を打つことができなかった点は残念だった。
栗山英樹監督(日本ハム) 評価:D
何とか最下位は回避したものの3年連続の5位という形で退任となった栗山監督。リーグ優勝2回、日本一1回、そして大谷翔平(エンゼルス)の二刀流起用など輝かしい結果も残したが、ここ数年は迷走していた印象が強い。特に不可解だったのが不祥事を起こした中田翔への対応と、中田がチームを去った後の采配だ。深刻な得点力不足の中で中田を放出することは大きな痛手であることは明らかである。一貫して優勝を狙うと発言していたにもかかわらず、その言動と行動は一致しているように見えなかった。また中田がいなくなったのであれば、次代の大砲候補である清宮幸太郎を一軍に昇格させるべきではなかっただろうか。栗山監督だけの問題ではないかもしれないが、10年間の監督生活を締めくくるには非常に残念な1年だった。