4つ目の貢献は保護犬を育て、ご養蚕の伝統を守るなど、生き物を大事にされていること。

天皇ご一家は動物好きで、赤坂御用地に迷い込んだ犬が産んだ子犬2匹も飼っていました。現在の愛犬・由莉(ゆり)も、保護犬。ご養蚕については明治天皇の妻である昭憲皇太后から始まり、歴代皇后の伝統として引き継がれてきた“私的行為”。 美智子上皇后から引き継いで伝統を守っていますね」

 5つ目の貢献は、愛子さまを成人皇族に育て上げたこと。

「愛子さまがあんなに立派に成長し、20歳を迎えられたのは、雅子さまがいつもそばにいて大切に育て、女性皇族としてのお手本を示して来られたからだと思います。女子が生まれたことで、『女性天皇』『女系天皇』の皇位継承の議論にも火がつきました。小泉政権の時には女性・女系が容認する方向となりましたが、その後、気運はしぼんで、流れてしまいましたが」

三権の長からの祝辞を受けるため、皇居・宮殿「梅の間」に入る天皇、皇后両陛下と愛子さま
三権の長からの祝辞を受けるため、皇居・宮殿「梅の間」に入る天皇、皇后両陛下と愛子さま

 現政権下では、政府の有識者会議が皇位継承のあり方を議論し、年内にも報告書をまとめて、政府が国会に報告する予定だ。

「だけど、あまり期待できなさそうですね。皇族が減少しており、手を打つことは必要だと思います」

 神田氏は雅子さまがバースデイを迎えたことをこう祝福した。

「一国民として、誕生日おめでとうございますと申し上げます。もしも、どうしても解決できない問題があったら、リモートの時代ですから、スマホやPCなどを使って、ヨーロッパの王室の方々とも意見を交わしながら、日本の皇室のために力を尽くしていただきたいと思います」

 来年1月2日の恒例の皇居の一般参賀は密を避けるため、残念ながら中止。雅子さまはコロナ後の皇室の「ニュースタンダード」をどのように作ろうとしているのだろうか。多くの国民が期待している。(AERAdot.編集部 上田耕司)

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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