
■巨大地震の「前震」か
フィリピン海プレートは、南海トラフ地震の「震源域」とされる。そうしたことから高橋特任教授は、山梨と和歌山、そして茨城の地震はいずれも、南海トラフ地震のような巨大地震の「前震」と考えられると語る。
「過去のパターンから、大地震が起きる2~3年前にその近くで比較的大きな地震が発生しています。例えば、最大震度7を記録した東日本大震災の3年前には、岩手県内陸部を震源に震度6強を観測した『岩手・宮城内陸地震』が起きています」
そんな最中の4日正午過ぎ、今度は鹿児島県南部の海に浮かぶトカラ列島近海で地震が起きた。発生から24時間で震度1~4の有感地震は100回近く数えた。近海はたびたび地震活動の活発化がみられる領域で、4月にも群発地震が発生した。
鹿児島大学南西島弧地震火山観測所の仲谷幸浩特任助教によると、今回の群発地震発生のメカニズムは現時点では「特定できていない」という。
「今回の活動は発生から24時間で見る限り、発生頻度と震源分布は4月の群発地震と似ています。この時は、有感地震は2週間近くで沈静化しました」
では、南海トラフ地震との関係はあるのか。
仲谷特任助教は、群発地震の規模と南海トラフまで数百キロ離れていることなどから関連性はないと言う。しかし、こう注意を促す。
「関連がないからといって、他の地域で地震が起きないというわけではありません。トカラ列島の地震を含め、それぞれの地震には、常に注意する必要があります」
(編集部・野村昌二)
※AERA 2021年12月20日号