サッカーJ1歴代最多得点記録を持つ大久保嘉人さんが現役を引退した。今季は大阪で、三男の橙利(とうり)君と2人暮らし。家事もこなしながらのラストシーズンとなった。AERA 2021年12月27日号でインタビューした。
【写真】SNSでも大反響だった大久保さんが作った「ポケットモンスター」の「キャラ弁」
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サッカーJリーグ1部(J1)歴代最多となる通算191得点を挙げたセレッソ大阪の大久保嘉人さん(39)が12月12日、天皇杯準決勝・浦和レッズ戦で敗れたのを最後に現役を引退した。今季はプロデビュー時の古巣に15シーズンぶりに復帰。妻と長男・次男・四男を横浜の自宅に残し、小学4年生の三男・橙利君と2人きりで大阪で生活した。その暮らしについて聞いた。
──最後の1シーズンは大阪で三男との2人暮らしでした。「家事をまったくやったことがない」という大久保さんが食事も洗濯もすべてこなし、「ポケットモンスター」の「キャラ弁」までつくって大きな話題を呼びました。
セレッソ移籍が決まったときはひとりで行くつもりだったんです。でも、三男が「俺も行く」と言い出して。もともと俺は家事なんてまったくやってなくて、育児と言っても子どもと遊ぶくらい。だから、どんな大変なことがあるか考えもしなかった。もしちゃんと考えてたら、「マジで来ないで」と思ったはず。でも、どうにかなるだろうくらいに考えて、「いいよ」と答えました。逆にそれが良かったのかな。大変なことも多かったけれど、楽しかったですよ。
キャラ弁は、子どもの遠足が中止になって、代わりに学校で弁当を食べるって日につくったんです。妻に何をつくろうかと相談したら、提案されて。前の晩からイメトレ(イメージトレーニング)して、当日は朝6時に目が覚めました。そうやって何かをつくるのは好きですね。
とはいっても、今でも家事はまったく好きじゃありません。モチベーションもないし、やらなくていいならやりたくない(笑)。考えているのは常にサッカーのことでした。続けられたのは、やらないと息子が死んじゃう、それだけです。