節目は14年。文部科学省の支援事業に採択され、以降7年間で国外にある協定大学を150近く増やし、海外プログラムを充実させた。17年には白山キャンパス(東京都文京区)に国際学部・国際観光学部、文学部に国際文化コミュニケーション学科を新たに設けた。

 一方、駒大入学センターの担当者は「日大を意識して特別な対策を取ってきたわけではない」としながらも、一つの利点に立地環境を挙げる。

 大学生活の拠点となる駒沢キャンパスは、東京・渋谷から電車で約7分。同じキャンパスに7学部17学科が収まる。学内では学年や学部を超えた交流も盛ん。「さまざまなタイプの学生と出会えることが強み」(担当者)

 仏教学部を持ち、禅や仏教について学べる一方、経済学部には起業家育成プログラムもあり、幅広い分野をカバーしているのも魅力の一つ。

 派手さこそないが、コンパクトな環境に学びの要素がバランス良く詰まっている。高校生が抱く理想のキャンパス像に近いのではないか──。先の担当者は、こんな見方を披露してくれた。

◆別格の同志社、躍進の立命館 近畿の新学部が早くも人気

今年の近畿大の入学式(同大提供)
今年の近畿大の入学式(同大提供)

 関西私大の雄は、なんといっても同志社だ。ダブル合格したとき、関西学院を除くすべての大学で同志社への進学率は100%と、今年も圧倒的な強さを見せつけた。

 躍進を続けるのが立命館。関西とのダブル合格では81%、京都産業とでは98%が立命館への進学を選んだ。立命館・経済と関西・経済など、立命館への進学率が100%の学部もある。

「産近甲龍」(京都産業・近畿・甲南・龍谷)では近畿が突出している。京産・龍谷とのダブル合格では98%が近畿に進んだ。とはいえ、「関西の大学はどこも改革に熱心で、その努力は甲乙がつけがたい」と全国に98校舎を展開する東進ハイスクールの運営元であるナガセ(東京都武蔵野市)の市村秀二広報部長は言う。

-は人数が基準に満たないため非掲載。小数点以下を四捨五入しており、たとえば「0%」でも入学者がゼロでない場合もある(週刊朝日2021年12月31日号より)
-は人数が基準に満たないため非掲載。小数点以下を四捨五入しており、たとえば「0%」でも入学者がゼロでない場合もある(週刊朝日2021年12月31日号より)

 一つのバロメーターが学部数。関東にあるSMARTでは上智が9、明治が10、青山が11、立教が10、東京理科が6と、平均10以内。一方、関西地区では関西が13、関西学院14、同志社14、立命館16、近畿15(21年時点)と、いずれも10を超える。

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