ペットはもはや大事な家族。読者とペットの愛おしい日常のひとコマをお届けします。今回の主役は、猫の鉄三郎ちゃんと蘭丸ちゃんです。
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7年前、縁があり白い保護猫の鉄三郎(てっちゃん、7歳、雄)を家族に迎えた一人暮らしの私。出かけるたびに、てっちゃんは1匹で寂しくはないかと気になっていた。
その1年後、てっちゃんにも友達がいたほうが安心できると思い、生後3カ月のキジトラの保護猫、蘭丸(6歳)を弟猫として迎え入れた。
半年ほど過ぎると、2匹の体の大きさがほとんど同じになった。キジトラが猫の原種に近いからだろうか、蘭丸は俊敏性が高く、体力もてっちゃんより確実に強くなった。
てっちゃんはジャンプも軽やかではなくドスンと音がするし、動き始めもワンテンポ遅い。
そのくせ私が化粧台の前に座ると、出かけるのを察知して先に玄関に行って待っていたり、甘えたくても私の用事が終わるのを近くに座り待ってくれたり、何かにつけ遠慮が見えるなど、人間くさいところが多々ある。
蘭丸は夏は涼しい場所、冬は暖かい場所めがけて一目散。てっちゃんはそれを冷めた目で見て、落ち着いている(ふり?)。体力では1番の席は取れないみじめさも不満も抑え、フンって様子で、俺はこっちがええニャンと私のひざの上で丸くなる。蘭丸はやりたいことには猛突進。構ってほしくて鳴きながら私の手やほおを触ってくる。私の胸の高さまでジャンピング抱っこ。抱っこをすると大満足と目がキラキラする。
プロレスごっこはいつも蘭丸のマウンティングで終わる。なのに、仕掛けるのはいつもてっちゃん。永遠のリベンジを見てるよう。しかし、勝つ側の蘭丸も少し遠慮ぎみ。
大人ぶってる隠れ甘えん坊と3歳の幼児のような2匹が、喧嘩(けんか)しながら仲良く暮らしている。(東京都墨田区/58歳/会社員)
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※週刊朝日 2023年2月3日号