ベテラン社員からは不満の声が挙がるかもしれないが、これに関しては会社の将来を考えるとあながち間違った改革でもなさそうだ。ところが、A氏はこんな心配を口にする。
「そもそもウチの会社は50年以上にわたって人事部すら存在しなかったので、人材育成のノウハウも社員のデータもないんです。それなのに突然人事部を作って、大した準備期間もなく社員を査定すると言われても、首をかしげざるを得ないですよね。社内では『宇宙人を捕まえたら一気に社長かな?』、『ツチノコだったら部長止まりかも』なんて笑えない冗談も飛び交っています」
と愚痴が止まらないA氏だが、いまだ会社に席を置いている理由を問うとこう明かす。
「なんだかんだ言っても東スポが好きなんでしょうね。他のメディアじゃできないような取材もしてきたし、同業者や取材対象者から『これだから東スポは!』なんてイジられたり、バカにされたりすると、怒るどころかかえってオイシイと思ったり、うれしくなっちゃうんですよね。“痛い会社”に散々振り回されながらもいまだに残っていることも含めて、いい意味でマゾ体質なのかも(笑)」
一連の経営再建策や早期退職者について東スポに事実確認をすると、
「ご指摘の中に複数、事実と異なる箇所がありますが、経営にかかわることに鑑み、具体的な回答は申し上げることを控えさせていただきます」(法務・広報室)
との回答だった。
まだまだ問題“マシマシ”な印象の「東スポ」だが、果たして古豪の復活はなるか。(AERA dot.編集部)