一面の見出しに「!?」を付けることで宇宙人やツチノコといった超常現象からスポーツ、芸能、社会のニュースまでをセンセーショナルに報じ、独自路線で存在感を放っている東スポ。だが今年4月、経営不振から45~59歳の社員を対象に希望退職者を募集することが週刊誌で報じられてにわかに注目を集めた。
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50代の現役社員のA氏は語る。
「ウチはここ10年ほど赤字が続きで、このままでは2~3年後にはつぶれるということで銀行から15億円以上の融資を受けました。その代わりとして、メーンバンクに紹介された大手コンサルティング会社が経営再建のサポートをすることになったんです。大阪、名古屋、下関にあった支社もすでに畳んだのですが、希望退職者制度も経営再建の一環です」
結果、社員全体の約4分の1にあたる80人近くの社員が今年会社を去ったという。
「早期退職者には在籍年数に応じて退職金が上乗せされましたが、上乗せ額は50代で1000万円くらいのようです。大企業に比べれば少ないかもしれませんが、そもそも40代の社員の年収が額面で400万円台前半から半ば、手取りにしたら300万円台という状況です。上乗せ分を含めてトータル2000万円前後の退職金がもらえるのであれば、50代の社員としたら上々でしょう。しかも、希望退職者には大手人材派遣会社が紹介され、転職のサポートも受けられたようです」(A氏)
もっとも、今回の希望退職者制度が完全にうまくいったわけではないようだ。
「80人近くが退職しても当初の目標には達していないようで、経営陣は今も黒字化に向けて経費削減やコストカットなどに苦労しています。記事のネット配信の方はそれなりに好調のようですが、“紙(=新聞)”の売上額と比べると桁が違いますし、肝心の紙の売り上げは右肩下がりが続いています。しかも、社員が一気に減ったことで現場の一人一人が抱える仕事量が増えていて、社内の空気はずっとピリピリムード。『○○はサボっている』、『××は仕事ができない』などネガティブな陰口が飛び交っていて非常に良くない」(A氏)