そうした中、最近では“ニンニクマシマシ”の「東スポ餃子」なる餃子の販売をはじめたことも話題になったが、40代の現役社員のB氏はこう話す。

「派手に宣伝していますが、餃子ビジネスには社内でも賛否両論あります。赤字ではないものの、売り上げも利益も微々たるもので、会社の再建のキッカケになる規模のビジネスにはなっていません。それでいて『餃子の次は居酒屋だ!』なんて話も出ていて、反対派からは『話題作りもいいけど、本業の方を何とかしろよ』といった厳しい声も上がっています」

 加えて、餃子ビジネス以上に期待が寄せられていた、今秋オープンの競馬情報サイト「東スポ競馬」の苦戦が社内に暗い影を落としているという。

「もともと、ウチはJRAのGIレースの開催前日の金、土曜日は他の曜日に比べて売り上げが10倍近くになるなど、『競馬』がキラーコンテンツです。それだけに『東スポ競馬』は会社再建の起爆剤になると目されていたのですが、ふたを開けて見ると会員登録者数自体が想定よりもだいぶ少ないですし、有料会員に至っては非常に厳しい状況です。まあ、競馬の情報サイトに関しては20年以上の歴史がある『netkeiba.com』をはじめ、『競馬新聞 デイリー馬三郎』や『競馬ブックweb』などの人気コンテンツがすでに多数あり、競馬ファンのパイを取り合っている状況で、完全に出遅れ感があるのは否めません」(B氏)

 経営再建に向けてはまだ道半ばといった状況のようだが、社内では社員の分断しかねない“改革”も浮上しているという。

「最近になって社内に人事部ができて、近く社員の給料改革を行うというのです。ウチは全盛期の90年代半ばには入社2年目で年収1000万円超えという高給だったのですが、今の会社の主力となっている30代から40代半ばの社員はそうした恩恵にあずかっていない。それどころかここ15年ほど昇給もほぼなく、年収は300万円台から400万円台前半止まりです。ただでさえ、有望な若手は以前から辞めていっているうえ、今回の希望退職者制度で優秀なベテランも会社を去った。さすがに残っている主力世代の給料を少しは上げないとまた辞めてしまうということで、今回の給料改革は主力世代の給料を底上げし、そのぶん人事評価の低い50代以上の社員の給料を下げるというのが目的のようです」(A氏)

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「なんだかんだ言っても東スポが好き」