【3区】
レース全体の流れを決める重要な3区。事前エントリーの中で最も1万メートルの持ちタイムで優れているのが、早稲田大の太田直希(4年)だ。27分55秒59で“早大27分台トリオ”の一人に数えられ、前回2区13位だった悔しさを区間賞で晴らしたいところ。順天堂大の伊豫田達弥(3年)も力があり、区間賞を狙える位置にいる。そして今大会の「2強」は、駒澤大が佐藤条二(1年)、青山学院大が太田蒼生(1年)と、ともに1年生がエントリー。特に佐藤は全日本駅伝1区で区間賞と好走しており、箱根での“衝撃デビュー”も期待できる。当日のメンバー変更の有無も含めて、各校の戦略も注目される区間だ。
【4区】
平地でのスピードだけでなく、ラスト3キロの粘りとペース配分が求められる4区。今回の区間賞最右翼は、創価大の日本人エース・嶋津雄大(4年)だ。旋風を巻き起こした前回大会でも4区を走り、区間2位の走りでチームを首位に引き上げた。強い精神力を持ち、1万メートルの持ちタイム(28分14秒23)も4区事前エントリーの中で最速だ。その他、出雲駅伝4区で区間賞、全日本でも5区4位と好走した早稲田大のルーキー・石塚陽士(1年)にも期待。さらに競技生活最後のレースに挑む東海大の主将・本間敬大(4年)、駿河台大の31歳・今井隆生(4年)の走りにも注目したい。
【5区】
過去、幾人もの“山の神”が出現し、毎年のように大逆転が起こる“登り”の5区。前回区間賞の帝京大・細谷翔馬(4年)が今回もエントリーされ、前哨戦の「激坂最速王決定戦2021」で学生トップの全体2位となった国学院大・殿地琢朗(4年)、同じく同レースで全体3位に入った日体大・吉冨純也(2年)、さらに前回5区で区間2位となって往路のゴールテープを切った創価大の主将・三上雄太(4年)も区間賞の有力候補になる。そして青山学院大では若林宏樹(1年)がエントリーされ、原晋監督も「若の神になる」と太鼓判を押したが、果たしてどうなるか。その他、東洋大の主将・宮下隼人(4年)、明治大の下條乃將(3年)も力を持っており、例年以上に先が読めない激しい戦いが予想される。