大会参加の可能性が一気に高まった大谷
大会参加の可能性が一気に高まった大谷
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 エンゼルスの大谷翔平が来年3月に開催予定のWBCに出場するならば、どのような起用法が最もチームのプラスアルファになるのか――。

【貴重写真】おぼこい表情…丸坊主姿の大谷

 過去のWBCはメジャーリーグの開幕前にトッププレーヤーが出場することに消極的な球団が多かったが、大会の知名度が上がりその見方が変わってきている。今回のWBCには、大谷の同僚で球界屈指の強打者で知られるエンゼルスのマイク・トラウトが参加することを明言。ナ・リーグで今季リーグトップの打率.339をマークするカージナルスのポール・ゴールドシュミット、8年連続2ケタ本塁打をマークしているフィリーズのJ.T.リアルミュートも参加を表明しており、米国代表は豪華な陣容で大会連覇を狙う。

 06、09年と大会連覇を飾った侍ジャパンだが、13、17年はベスト4と頂点に届かなかった。栗山英樹監督が就任し王座奪還を目指す中、メンバー編成で注目されたのが大谷の動向だった。朗報が日米メディアで報じられたのは米国現地時間の19日。エンゼルスのペリー・ミナシアンGMが大谷のWBC出場について、「彼が望むことであれば、我々はサポートしたい」と全面的に協力することを約束。大谷自身も出場に前向きな姿勢を示しており、大会参加の可能性が一気に高まった。

 侍ジャパンにとって、これほど頼もしい存在はいないだろう。昨季は熾烈なタイトル争いを演じて46本塁打をマーク。投げてもメジャーで自己最多の9勝を挙げた。今季もメジャーで104年ぶりの偉業となる2ケタ勝利&2ケタ本塁打を達成。投打の「二刀流」でメジャーのトップレベルに昇り詰めている。

 過去の大会の戦いを見ると、米国やベネズエラ、プエルトリコ、ドミニカ共和国など中南米の国と比べてパワーでは見劣りする。機動力を生かした「スモールベース」で勝機を見出してきたが、大谷が打線に入ることで長打力も期待できる。

 スポーツ紙デスクは「他の選手との兼ね合いもあるので打順は迷いますが、1番は面白いと思います。投手からしたら試合が始まっていきなり大谷は厄介でしょう。パワーだけでなく、昨季は26盗塁をマークするなど走塁技術も高い。昨夏の東京五輪で1、2番を担ったヤクルト・山田哲人、巨人坂本勇人が打撃不振や故障などで精彩を欠いているのを見ると、大谷が1番に入るのがしっくりくる」と語る。

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「抑えは考えづらい」