同時に公務も本格化していった。宮中の儀式を始め、式典や大会へのご出席、盲導犬の育成や社会福祉施設への訪問など成年皇族としての約15年間で、740回の公務と14カ国を公式訪問なさった。
まさに公務と研究活動を両立される働きぶりは、男女雇用機会均等法世代の女性を体現されてもいた。千葉県我孫子市にある研究所にもご結婚前まで、週に2回、片道1時間以上をかけて車で通勤されていた。
33歳の誕生日に際し、「継続的な責任ある立場に就いたりすることは控えてきた」と女性皇族としての公務について述べられた紀宮。皇籍を離れ黒田清子さんとなった後も、元皇族として伊勢神宮祭主のご活動を続けている。
愛子さまは、どんな女性皇族を目指すのだろう。
「愛子さまは成年の行事の際、清子さんがこのティアラを着けて、皇族としての務めを大切に行ってこられたことを両陛下から聞いておられただけに、身が引き締まる思いで行事に臨まれたといわれています」(宮内庁関係者)
愛子さまの公務への取り組み方は、清子さんと同じように、緩やかなものから本格化していくことになるだろう。注目されるのは「継続的な責任ある立場」に就けるかどうかだ。時代は変わり、やがて愛子さまが初の責任ある公務に取り組むことができるか期待が寄せられている。
※週刊朝日 2022年1月7・14日合併号