1975年、即位50年の新年を迎える昭和天皇ご一家(当時)
1975年、即位50年の新年を迎える昭和天皇ご一家(当時)

 88年の18歳の時には、岐阜県美濃地方のパイプオルガン工房にも宿泊されている。

 後に紀宮はここに親友とやお一人でも泊まられて、家庭の味や暮らしを知ることになったという。こうしたことも美智子さまの、自立を促す教育だったのかもしれない。

 愛子さま雅子さまがご療養中ということもあり、いまだに母娘二人旅は実現していない。愛子さまはご一家でスキーや雅子さまの妹親子とご一緒に近郊に出かけられることはあったが、それだけでも「雅子妃は公務を休んで遊んでばかりいる」とメディアから批判を受けてきたので、療養中である限りたとえ旅行をなさったとしてもリラックスできないかもしれない。

「愛子さまは、それでもお友だちとボウリングをしたり、水族館へ行ったりして楽しい時間をお過ごしになってきたので、不満を漏らされるようなことはなかったそうです。『急がなくても行こうと思ったら、いつでも行けるから』とおっしゃって、雅子さまを庇(かば)うようにも感じました」(ご一家と親交のある人物)

 紀宮も愛子さまも、幼い頃からご両親に命の大切さを教えられて、たくさんの生き物に囲まれて育ってきた。

 紀宮は12歳の誕生日に、かねて飼いたいといっていた犬を両殿下からプレゼントされた。犬種は紀州犬で、名前は「千代」。学習院初等科の卒業文集に将来の夢は「盲導犬の指導員になりたい」と書かれるほどだった。

◆動物保護にも興味と関心

 紀宮は「千代」にも盲導犬の訓練を受けさせていたが、92年に紀宮が海外訪問中に預けられた施設から脱走してしまい、そのまま行方知れずになってしまったという。

 その後も紀宮の犬に対する愛情は変わることはなく、学習院女子高等科から盲導犬の指導を始められている。

 愛子さまと犬の関わりも深いものがある。既にご誕生された時には、家に両陛下が可愛がってこられた2匹の雑種犬「ピッピ」と「まり」がいたことから、家族のような存在だったという。

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